君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………ッ?」
李人の腕の中でーーー李人の言葉の真意が分からず、当惑する優葉に李人はフっとどこか自嘲気味に微笑んだ。
「………俺が、優葉に幻滅する? 嫌いになる? ………全くあり得なさすぎて笑えるね」
「っ、 えっ………?」
「優葉………、 覚えてる? 前に、花火大会で………俺が優葉にしたこと。 あれ………どういう意味か分かった?」
「っ、そ、それはっ………」
李人に今、花火大会での出来事について話を持ちかけられると思わなかった優葉は、もちろん答えなど用意はしておらず言葉に詰まった。
「………あれだけしたのに、まだ分からない?………本当に可愛いね、優葉は」
「ーーーッ!?」
そして、熱を帯びた声で李人に耳元でそう甘く囁かれた優葉は、ますますその場で身体を固くした。
(な、に………? 李人君、いつもと様子が違うっ………)
普段と様子が全く異なる李人に、優葉はただただ戸惑っていたが、李人はそんな優葉の身体を更に自身へと引き寄せーーー
「………そんな可愛い優葉に免じて特別に正解を教えてあげる。
俺はね、ーーーあの日………優葉にキスをしようとしたんだよ」
そして、 あの花火大会の日の"答え"を………優葉に告げたーーー。