君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー


ーーー頭が、真っ白になるとはこういう事だ、と優葉は思った。

(李人君が………私にキス………?)

そのあまりにも、予期せぬ李人の"答え"に………優葉は、完全に言葉を失った。

そして、放心しきった優葉をーーー李人は、真摯だが………しかし、熱のこもった目で見つめてきた。

「………ッ、 李人く………」



「………驚かせた? でもね………、俺は昔からそうしたかった。ずっとずっと………そして、今も。俺は、優葉だけを求めてる。
………それを、分からせてあげる」


「ッ、りっ、ーーー………ッ」

ーーーそれは、あまりにも一瞬だった。


「んっ………」

優葉は、ーーー李人と唇を重ね合わせていた。

「り、ひとくっ………、 あ、 っ、んんッ………!」

李人は、まるで想いの丈を優葉にぶつけるように………優葉の唇をその舌で開き、 これでもかというほどに深く優葉のそれと絡め合わせた。

「………ッ、 ふっ………、んんッ………、ーーーはぁっ………」

やがて、李人はゆっくりと自身の唇を優葉のそれから離すともう一度、強く優葉を抱きしめ


「………これで、分かった? 俺がどんなに優葉を求めてきたか。
ーーーどんなに………、優葉を好きなのか」

その長年秘め続けてきた深い想いを優葉に告げたーーー。

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