君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「だから………優葉。 俺が、お前を嫌いになるはずがない。優葉に何があっても………俺は絶対、お前に失望したりもしない」
そう言って、李人は再び優葉を力のこもった真剣な瞳で見つめーーー
「ただただ………昔から俺が優葉に思うのは………"好き"という言葉だけだよ」
そう切なげに………しかし、今までに優葉が聞いたことのないような甘い声で、 李人はもう一度優葉に想いを告げたーーー。
そのまま李人は………優葉の頰を優しく両手で包み込む。
「………優葉は? 俺の事………どう思ってる?」
「………ッ!!」
そう尋ねた李人のまるで魂の奥底から、絞り出したような震えた声に………優葉は心から李人の自身への想いを実感した。
すると、優葉の目からは………スルリと、再び涙がこぼれ落ちていたーーー。
「ずっと………ずっと、 私だけかとっ………」
ーーー李人は、誰にでも優しく平等だから。
ーーー李人は、俳優で遠くの世界で生きてる人だから。
ーーー李人は………従兄弟だから。
"好き"ーーーこの想いは、優葉だけのものだと優葉は、信じて疑わなかった。
今、李人がくれたようなーーー"奇跡"を優葉は、想像もしていなかった………。
「きっ………」
「………え」
「好きっ……….、 好きっ………!ずっとっ………李人君が、好きっ………!」
そう思った途端、 優葉の李人への想いは………堰を切ったように溢れ出したーーー。