君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
『………だったら、一度この町から離れよう?それで、いつもと違う景色を見れば………何か考えが浮かぶかもしれないだろ?
いつまでも同じ場所にいたら息が詰まって何も考えられなくなるからね。
特に、優葉は、真面目な分、色々一人で考え込むから一旦外に出た方がいい。
大丈夫、俺も仕事の時以外はずっと優葉の傍にいるから………安心して?』
そう言って、李人は優葉の頭に優しく手を置き、柔らかく撫でる。
『………そうだね。私、東京に行ってみる………』
優葉は、李人にそう答え、ゆっくりと頷いた。
(確かに、東京でも、どこでも………R町から離れて違う風景を見れば………何かが分かるかもしれない。 変わるかもしれない。
どっちにしろ………李人君の言う通り、 こんな何も考えが浮かばない状態じゃ、瀬名君と接する事はできない。
一度………この町を出て、それから瀬名君とのこれからの事を決めようーーー)
優葉は、李人の温かな手の温もりを感じながら………そう新たに決意を固めたーーー。
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「……….笹原さん。 スマホを落としてしまい勤務日に連絡が取れなかったのは、 多目にみましょう。
インターンシップも学生にとっては、将来を決める大切な行事の一つだと思います。 けど、一か月だとあまりに急で………他の先生に君の穴埋めを頼むのが今からだととても大変だ。 彼らにも都合があり、生徒にも迷惑がかかる」
「大変………申し訳ありません………」
「君は、もっと周りの事を考えられる先生だと思ってただけに………今回の事は残念ですね」