君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
優葉に深刻な"何か"があり、優葉が助けを李人に求めなかったという事実はいつのまにか、二人の距離が開いていた、という事だと李人は感じーーーそれは李人の心を抉った。
しかし、それと同じくらいに李人は………優葉が何を思おうと自身が優葉の力に何が何でもなりたかった。
『………なるほど。それなら』
『………俺の家に行こうか? 優葉』
そして、それらの思いから李人は有無を言わさない口調で優葉にそう提案していたーーー。
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李人の自室に二人が着くと、 優葉は数年ぶりに李人の自室に入ったこともあるのか、緊張で身体を硬くさせながら、椅子に座っていた。
『………それで優葉、何があったーーー』
しかし、李人は今は優葉にあった出来事を聞き出すことが優葉の緊張をほぐすことよりも先決だと思い、本題を優葉に切り出したーーー時。
『な、夏子おばさんと、哲哉おじさんはっ?』
優葉は、全く別の話題を李人に振ってきた。
李人は、優葉の質問に対し最初は何も特に感じる事もなく答えていた。
しかし、李人が優葉に本題を切り出そうとする度に優葉は、必死な形相で別の話題を李人に振り続ける為………徐々に故意に優葉がそれをしていると李人は気付き、その心に徐々に不満が募っていった。