君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

(何で……….こうも、優葉は必死に隠そうとするんだ? 悩みが言えなくなるほど、優葉と俺の距離はいつのまにか離れていたのかーーー?)

李人はそう思い、あまりの遣る瀬無さと優葉が李人自身に何も言ってくれない苛立ちもあり………唇を思わず噛み締めた。ーーーそして。

『ーーー優葉ッ!』

『ーーーッ!?』

気付けば、李人は優葉の言い訳を遮るほどの大声を出していた。

『………ごめん。 大声をだして』

『っ、李人く………』

『………優葉。何かあったんだろ? ずっと………俺に連絡しなかったのもそれが原因?お願いだから、言葉で誤魔化さないで。 ………お前が心配なんだよ、優葉』

一旦、優葉に声を上げた後は………今まで李人自身が感じてきていた優葉と連絡がつかなかった事への不安や優葉に対する気がかりの感情が一気に膨れ上がった。
なので、李人は優葉の手を掴み、そう優葉に懇願していた。

ここまで本音を曝け出せば………優葉も、口を開いてくれるだろう。

李人はそう信じて疑わなかったーーーが。

『だめっ………。 言えないっ………』

優葉は、李人の期待に反して………弱々しい震えた声でそう李人に告げた。
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