君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
『ッ、 優葉ッ、どうしてーーー』
『駄目なのっ………! どうしても駄目なのっ………! 知ったら、きっと李人君っ………私に幻滅するっ………』
優葉が発した予想外の言葉に、李人はショックを受け、思わず詰め寄るようにそう尋ねたがーーーそれに対する優葉の返答に、李人は言葉を失った。
(優葉は………俺の事を、そんな風に思っていたのか? "何か"があってショックを受けた優葉に失望するような男だと………?
俺は………物心ついた時から優葉が大切だった。だから、ずっと、ずっと、俺は優葉の味方でいた。
優葉が傷付いた時、 困っていた時、泣きそうになった時………一番に俺が支えていると思っていた。
優葉もそれを知っていると思っていた。 なのに………優葉に、俺の気持ちは何も届いていなかった………?)
(ーーーそれなら、もう回りくどい事はせず、いっそのこと……….)
そう思ってしまえばーーー最後。
李人は、泣きじゃくる優葉を………強く抱き寄せていた。
今まで心の奥底で、抱えてきた………しかし、今にも溢れ出しそうな優葉への想いを伝える為にーーー。
『………あまり、俺を見くびらないでもらえるかな? 優葉』