君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
『………俺が、優葉に幻滅する? 嫌いになる? ………全くあり得なさすぎて笑えるね』
そう言って、李人は思わず笑ってしまった。 李人自身が優葉を嫌いになるーーーなどといったこれからも有りもしないであろう事実を想像したからだ。
『っ、えっ………?』
そのような李人の発言の真意が見えず、少し戸惑っている様子の優葉をよそに、李人は優葉に花火大会の日に李人が何を優葉にしようとしたのか再度尋ねた。
優葉はその質問をされるとは思わなかったのか、驚いた表情をしたものの何も答える事は無かった。
(………あんなに顔を近付けられたら、確信を持てそうなものなのに。 それでも、何も言わないんだな)
李人はそう思い、そして、あまりにも鈍感で無垢な優葉を心からまたも堪らなく可愛く、そして愛しく想ったーーー。
『………あれだけしたのに、まだ分からない?………本当に可愛いね、優葉は』
そして、その気持ちのままに李人は優葉に対して思ったありのままを言い
『………そんな可愛い優葉に免じて特別に正解を教えてあげる。 俺はね、ーーーあの日………優葉にキスをしようとしたんだよ』
花火大会の日の李人の真意を………そのまま優葉へと伝えたのであったーーー。