君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

それを聞くや否や、優葉は信じられないといった表情で李人を見ていた。


ーーーしかし、もう………この想いは止められない。

もう………ただの物分かりの良い優しい従兄弟じゃいられないーーー。


『……驚かせた? でもね………、俺は昔からそうしたかった。ずっとずっと………そして、今も。俺は、優葉だけを求めてる。 ………それを、分からせてあげる』

そう言ってしまえば、 最後。

『り、ひとくっ………、 あ、 っ、んんッ………!』

李人は、長い長い間、優葉へ向けていた想いの丈をぶつけるように………優葉に強く唇を重ねた。


『………これで、分かった? 俺がどんなに優葉を求めてきたか。 ーーーどんなに………、優葉を好きなのか』

優葉から唇を離した後………、 李人の言葉になったのは。

溢れ出したーーー優葉への深い想い。

『だから………優葉。 俺が、お前を嫌いになるはずがない。優葉に何があっても………俺は絶対、お前に失望したりもしない』

昔から………弱き者の味方になり、誰に対しても優しさを忘れずに接していた優葉。

更に何があっても目標の為なら挫けない心の強さに李人は心惹かれ、優葉からひと時も目が離せなかった。


ーーーそれを、恋だと気付いた時には、 もう後戻りは出来なかった。

いや………李人は、する気もなかった。



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