君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
後戻りなんて考えられない程に………李人はずっと、ずっと優葉への想いに囚われていたーーー。
『ただただ………昔から俺が優葉に思うのは………"好き"という言葉だけだよ』
そして、その激しくも温め続けた想いを優葉へと口にした李人は………続けて優葉に言った。
『……優葉は? 俺の事………どう思ってる?』
ーーーずっと、ずっと聞きたかった事。
けれど………その答えを聞くのが、本当は途轍もなく恐ろしくてずっと、ずっと聞けなかった事。
それを優葉に問けば、今までにないほど心臓が高鳴りーーーまるで、今にも心臓がどこかへ持っていかれそうな錯覚を李人は覚えた。
(っ、………ダメだ。 こんなの………)
優葉の答えを李人は黙って待つが、 李人にとってそれはまるで永久にも思えるほどに長く………今までで一番生きた心地がしない時間であった。
ーーーしかし。
『ずっと………ずっと、 私だけかとっ………』
ふと、震えた優葉の声が………耳に入り李人は思わず優葉の顔を見た。
すると、優葉はその瞳に涙を浮かべており………李人は息を呑んだ。
ーーーそして、優葉は言った。
先ほどの李人と同様………まるで、心の奥底から思いを絞り出したような声で。
『好きっ……….、 好きっ………!ずっとっ………李人君が、好きっ………』