君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー


(………今起きている事は、夢か?)


あまりに、長く長く優葉にその言葉を言われる事を願い過ぎて………李人自身に都合の良い優しい夢を見ているのでは………と李人は思った。

『好きなのっ………、李人君っ……、好きっ………』

しかし、何度も李人に切実に想いを伝える優葉を見て………李人は次第にそれが、夢ではないのだと悟った。

それと同時に李人はその胸が今までにないほど熱くなるのを感じ………優葉に対する想いで心が膨れ上がった。

そしてーーー李人は、その感情のままに………優葉を強く抱き締めていた。

『夢みたいだ………。 優葉が、俺の事を好きだと言ってくれたなんて………』

李人は優葉を抱き締めながら………あまりの嬉しさに自身の視界が揺れているのが分かった。

(………優葉の想いを知れたらもう、俺は何も怖くない。 今なら言える。 ずっと、ずっと願い続けてきた事をーーー)

そう思えた李人は………優葉をこれまでにないほど真摯な目で見つめた。そしてーーー

『ずっと………ずっと大事にする。 だから、優葉。 ーーー俺の………恋人になって?』

今まで、何度も何度も夢みたその願いを優葉に告げたーーー。





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