君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
(強烈なのは、李人君だよ………)
優葉はそう思い、顔がどんどん赤くなるのを感じた。
こんな甘い李人の笑顔を見せられて、平静でいられる訳がない。
「………そんなに顔を赤くして。 俺で、緊張してくれてるんだ?」
「………!」
図星を突かれ、 何も言葉にできなくなった優葉に李人はまたその目を優しく細めて微笑み
「………本当に優葉は可愛い。 今すぐに抱きしめたいよ」
「ーーーッッ!?」
優葉にだけしか聞こえない声で、優葉が予想もしていなかった糖度百パーセントの台詞を口にするものだから、優葉は、また衝撃で言葉を失った。
「り、り、李人く………!?」
「ハハっ、そんなに慌てなくても大丈夫だよ。 今すぐそうしたいのは山々だけど、人目もあるし我慢するから。
ーーーでも、俺の家に着いたら、すぐにお前を抱きしめる。 いいね? 優葉」
そう言って、李人は熱っぽい視線で優葉を射抜く。
ーーー今まで、李人が隠してきた目。
優葉が欲しいと………強く、強く願ってきた目ーーー。
「っ、うん………」
そんな今までに見たことがなかった李人の目に見つめられ、優葉は驚いたものの………優葉は、それほど李人に想われていた事を改めて強く感じ、気付けば嬉しさで、コクリと頷いていたーーー。