君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
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「きたーーーッ!! 夏休み!!」
真夏の空、晴夏が大声で叫ぶ。
夏休みになった優葉達は、約束通り三人でキャンプ場へ来ていた。
何事かと近くの家族連れに訝しげな目を向けられるが、晴夏はおかまい無しでニッコリ笑顔だ。
(いつも、晴夏は明るくて可愛いなあ)
優葉は、そう思い晴夏を見た。
晴夏は、容姿も凄く愛らしいのでよくモテる。
現に、 丁度、優葉達の向かい側のバンガローにいた男子大学生の集団が近付いてきた。
「君、超可愛いね!!」
「大学生? お友達も可愛いじゃん!夜、一緒に飲もうよ」
「えぇ? どうしよっかな?」
首を傾げ微笑む晴夏に、大学生達は「おおっ!」と声を上げる。
(全く晴夏は…………)
晴夏は今は彼氏はいないが、昔から多くの男性と付き合ってきた。
どの仕草をすれば男性が喜ぶか晴夏はよく分かっている。
(小悪魔だなあ………)
同級生の彼氏と別れ、早3ヶ月。
晴夏は 新たに彼氏が欲しくなったのだろう。
「………晴夏の狩りが始まったわね」
「そうだねえ………」
優葉は、綾子と共に軽いため息をついた。