君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー


因みに、綾子には現在24歳の地元の銀行に勤める彼氏がいる。

一途な綾子は、その彼氏と3年間付き合っており結婚も考えている。

「優葉。ここは、あたしが晴夏を抑えるから、そこら辺散歩してきたら?

あまり、男をあしらうの得意じゃないでしょ?」

見兼ねた綾子が、密かに優葉の肩を指で突きそう提案した。

「い、いいの?」

「大丈夫よ、これくらい。あっ、そうだ! ちょうど私、車にスマホ忘れてきたのよ。

それもお願いできる? 晴夏にも良い理由ができるし」

「うん、全然大丈夫。行ってくるね、ありがとう」

優葉は綾子の気遣いに感謝した。

そして、綾子から車の鍵を受け取ると、優葉はそっとその場を離れた。

「ちょっと、優葉どこに行くの〜?」

「私の忘れ物を頼んだのよ。それより晴夏、さっさと夕飯の支度をしないと。

という事で失礼しますね?ほら、晴夏っ、中に入るわよ!」

「ちょっと、綾子お姉様〜〜〜」

「あぁっ、晴夏ちゃーーーん!」

綾子にバンガローに強制連行された晴夏と、残念そうにそれを見つめる男性陣を横目に優葉は、駐車場へ向かった。



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