君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
和泉はそう言い、目を瞑り頭を優葉に下げた。
「傷付ける為に………好きになった訳じゃなかったのに………。 ごめん………。 ごめん………」
そして哀情に満ちた声で優葉に謝罪した。
「顔を………上げて? 私は大丈夫だから………」
そう優葉が言えば和泉は、躊躇いながらもゆっくりと顔を上げた。
「怖かっただろ………? 」
「そ、れは………」
優葉がそれに口を閉せば和泉はまた、フと口角を切なげに上げた。
「………分かってる。だから、俺は二度と優葉を傷付けない………。約束する………」
そう言うと、和泉はもう一度優葉の頬を優しく手で包み込んだ。
「っ、瀬、名く………」
「優葉が橘 李人を好きならそれでも良い。 もう………それでアンタを傷付けたりしない。
だけど………ただ、好きでいさせてくれ。 大切にさせてくれ。そして、どんな形でもいい。勉強でも何でもいい。 アンタが俺といて幸せだと、良かったと思ってもらえるように………頑張るから。
だから、この気持ちを許してくれ………。櫂兄さんの為にも、 簡単には手放したくはないんだ………」