君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
和泉がそう言いながらも、その瞳は悲しげに揺れるのを優葉は見逃さず………また胸が痛んだ。
「………ただ、それでも俺は好きでいたい。 優葉の事」
「えっ………?」
「言ったでしょ?………俺は櫂兄さんの事があって………今まで誰も好きになった事がないって。 そんな気持ち、捨ててさえいた。
………優葉を好きになってやっと、櫂兄さんが多原といて何を考えてたのか分かった。
ただ………好きな人には俺といる事で幸せだと思って欲しい。 そして………何よりも大切にしたい。それがきっと、櫂兄さんが思ってた事で俺の知らなかった感情だと分かった………」
ーーーだから、この想いを認めたんだ。
和泉は心の中でそう呟いた。
優葉を心から好きになり、和泉といる事で幸せになって欲しいと思った。
その為に、優葉を本当に大切にし、愛しもうと思った。
そして、それは櫂が志帆を想うのと同じだとも感じ、更に尊ぶべきものだと考えた。
しかしーーー
「………そうは思ったけど。 その日に丁度、アンタが橘 李人を好きになったと知って………頭に血が上ってあんな事をしてしまった。
本当に………ごめん」