君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
5. 愛しい時は、甘さと影と共に

【血の絆を知れば】


ーーー東京 丸の内

『では、ご登壇頂きましょう! 映画"青空に、君に、 初恋。"の主要キャストの皆さんです!』

『キャーーーッ!! 李人くーーーん!!』

『怜くーーーん!! 』

『カッコイイーーーッ!!』

800人は収容できるシアターの一室。
沢山のマスコミのカメラのフラッシュに、 鳴り止まない黄色い声援。

東京でも、類を見ない巨大シアター施設で李人は先日、埼玉で撮り終えた映画の初日舞台挨拶を行なっていた。

『怜さんの役名は、充で僕が演じる博也の恋のライバルですが、 撮影がまだ酷暑の時で暑さで思いっきり"怜、ふざけんなっ!!"て言ってました。あれは、びっくりしましたね』

『李人〜、あれはビビった! 次はちゃんと役名間違えても怜さんって呼べよ?もっと、俺を敬え、お前は』

『アハハ、そうですね』

『心をこめろ、そこは!』

李人が事務所の先輩で共演した東田 怜(ひがしだ れい)とコント風に話を進めれば更に笑いと喝采が起こる。

それからも映画のエピソードや、 役の印象、 共演者との絡み話など事前の打ち合わせ通り、 李人は真剣に、時には面白おかしく答えていく。

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