君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………ねぇ、 優葉。俺も一つ聞いていい?」
優葉の鎖骨から、唇を離した李人はまだ、李人のキスの熱から冷めない優葉にそう問う。
「え………?」
「瀬名 和泉と………何があったの?」
「………!」
不意に、李人の口から和泉の名前が出たので優葉は息を呑んだ。
「………ごめん。ちゃんと優葉が話すまで待つつもりだった。でも、どうしても気になって仕方が無かった。
俺以外の男の元に行ったお前は………どんな気持ちだったのか」
そう言う李人の瞳はどこか不安定に揺れていた。
そんな李人を見て、和泉との件で優葉が思っていた以上に心配をかけていたのだと気が付き、優葉の胸は痛くなった。
「ごめんなさい………。瀬名君の事は、不安にさせて………」
「優葉………」
「ちゃんと………話すね? あの日、 瀬名君との間にあった事を………全部」