君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

例え、李人とイトコ同士であっても………そして、李人を好きになる事が人によっては、否定される事だとしても。

李人を好きな気持ちがあれば、それ以上は何も必要ない。

優葉にとって、李人も唯一無二の愛しい人なのだからーーー。

「………今更、気が付いたの? バカな優葉」

「な、バカって………ーーーっ」

そう言い、李人はその指で優しく優葉の涙を拭い、またキスをする。

「んんっ………」

李人のキスで、再び優葉は何も考えられなくなり………目線は、李人に釘付けになってゆく。

「り、ひとく………」

「………キスしたら、俺しか見なくなるね? 優葉」

李人がまた図星な事を耳元でまた甘くそう囁くので、優葉の顔は一気に熱を帯びる。

「………もっと、もっと、キスしてあげようか? 優葉が俺が従兄弟だとか、そんなくだらない事を考えられなくなるように。
………いや、違うな。優葉に、俺だけを見て貰いたいっていう願望もあるな」

「それってどういう ………!」

優葉が、最後の言葉の意味を尋ねようとした途端………李人は優葉の鎖骨の下辺りに唇を落とす。

「あ、っ………!」


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