君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
(きっと、瀬名と決めた事ってやつは………優葉にとっても、 俺に話すのに勇気がいる事なんだな)
そう思い、 李人はフッと柔らかく微笑むと優葉の頭をポンと優しく叩いた。
「っ、李人君………?」
「………しっかりね、 優葉。 お前はアイツのーーー瀬名の先生だよ?
そんな顔でどうするの? 途中までは最高だったよ。 俺も知らない程の強い眼差しで、 真っ直ぐアイツの為に話してたのに。
………大丈夫だから。 俺は何を言われても、お前を好きだよ」
「………っ」
李人のあまりもの温かな言葉に、また優葉の涙腺は緩みそうになる。
優葉が、 李人に和泉の話をしようと決めた中で懸念が膨らんだのは李人が優葉に対し失望する事だ。
生徒とはいえ、 仮にも告白された男性とこれからも共にいて、その先を支え見守りたいなどと知ったら恋人としたら良い気分にはならないだろう。
しかし………李人は、そんな優葉の不安を見越し………笑ってくれた。