君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

そして、 晴夏が中学に入り初めての冬を迎えようとしていた頃だった。

『ヤバイ、大分時間遅れた!ていうか、 あのハゲ教頭、テスト前なのに靴箱の掃除手伝わせるってどういう事!?』

期末テスト前で部活が休みであった晴夏は、当時の彼氏と下校をする約束をしていた。

しかし、たまたま1年の靴箱を通り過ぎると晴夏を始め、何名かの生徒が教頭に"掃除がなってない"と言われ、清掃をする羽目になったのである。

『ったく………、 本当に腹立つ。 サトシ意外に短気だから、 待たせるとめんどくさいのに………っ』

晴夏は、何度かデートの際、遅刻した時に不機嫌さを隠しきれていなかった彼氏を思い出し、嫌気がさした。

(何て言い訳しよう………。 いや、ここは普通に、教頭に捕まって掃除しないといけなくなったって言えばいいか………)

そんな事を思いながら、晴夏は彼氏が待つ教室の後ろまできていた。

ーーーその時。

『え!? 晴夏を何で好きになったかって!?』


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