君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
友人も………彼氏も。誰も、晴夏の本当の姿など望んでいない。 本当に言いたい事など、興味もない。
(分かってる………。 そんな風になったのは、あたしのせいだって)
学校という箱庭で羨望の眼差しのもと過ごすには、美人である事は勿論、文武両道でスクールカーストの上位におり、イケメンの彼氏が必要だ。
なので、毎日ファッション雑誌を見てオシャレやダイエットを研究し、運動に勉強にと努力を重ねた。
その結果、スクールカーストトップクラスの女子生徒といる事ができ、それなりに顔の整ってる男子生徒と何人か付き合えている。
全て、晴夏が望んだ事だ。
(だから………、全部、あたしの計算なんだから。 文句なんて言える筋合いなんて無いじゃん。………なのに)
ーーーどうして、こんなにも泣き叫びたくなってしまうのだろう………。
晴夏がそう思った時だった。
『………お前、 それ本当に篠村の事好きなの?』