君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

李人がそう言ったのが聞こえ、晴夏は驚きで視線を彼氏から李人の方へ移した。

『はぁ? どういう意味?』

『だから、 お前が言ってるのって結局、篠村の見た目や勉強とかの外見の部分だろ。 勿論、それも一つ相手を好きになる理由になるのは俺も分かる。
でも、もっと篠村の性格とか、 普段何を考えて、どんな事を将来したいだとか………そんな内面的な部分もあっても良さそうだと思って聞いたんだ』

『李人………お前、本当に中学生男子か? んなの、 外見より大分後だろ? 俺は、俺の見栄えと性欲が満たされればそれで良いんだよ』

『へぇ、………そんなもんなんだね』

『んだよ、それ。………まあ、普段から地味な従姉妹の世話ばっかしてるお前にはわかんねぇと思うけど。
めっちゃモテるくせに、マジ意味不明だわ、お前』

李人が納得しないようにそう答えたのが気にくわなかったのか………晴夏の彼氏は忌々しそうにそう李人に言った。



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