君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

(笹原さんって………、 地味、だよね。 やっぱり)

やはり優葉は、特別、勉強や運動などで目立つ訳でもなければ、 顔が圧倒的に可愛い訳でもない。

後、思いつく事と言えば、優葉が断らないと踏んでいるのか教師や、クラスメイトがよく面倒な用事を彼女に頼んでいるのを見るくらいだ。

(さっきの靴箱の掃除も確か、笹原さんがいたな………)

思い返せば、晴夏が優葉に対して思った事は全て良い印象ではなかった。

(だけど、 きっと橘君はーーー)

ーーーその時だった。

『………優葉!』

人の気配に気が付いたのか、 李人が教室から顔を出してきた。

『李人君………! ごめんね、遅くなって』

『ううん。 掃除は? もう大丈夫?』

『うん。 大分、綺麗になったから………時間掛かったけれど、掃除した甲斐があったよ』

そう言い、 柔く微笑む優葉を見、李人もまた幸せそうに笑う。

そして、晴夏が今まで付き合ってきたどの男性も………そのような笑顔は晴夏に見せてこなかった。



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