君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

きっと、李人は優葉を傷付けるものは誰であろうと許さない。

だからーーー

『どういう事よ! 晴夏!』

『笹原さんと仲良くするなんて、あたし達を裏切る気!?』

『………気が変わった。 あたしは、笹原さんと友達になりたい。 それくらい、自分で選びたいから』

ただ己の利益の為に選んだ友情など、簡単に捨てられた。


『っ、大丈夫………? 篠村さん。ごめんね、私のせいで、篠村さんまで嫌な思いしちゃうかも………』

『………別に? あたしが、笹原さんといたいんだから! 気にしないでよ! ていうかさ、優葉って呼んでもいい?』

『………っ、うんっ………!』

そして、瞳を感激で潤ませる優葉と友人ごっこをするのも、ためらいなどなかった。

優葉の傍にいれば、李人の目には必ず、晴夏がうつる。

そして、愛しい優葉を大切にする晴夏はとても明るくて、優しく、頼もしい。

更に容姿、頭脳共に彼女よりも大分優秀だ。
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