君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
だから………きっと、李人が優葉でなく、晴夏を見てくれる日がきっと来る。
間違いなく李人は、自分を好きになると、そう信じて疑わなかった。
『あたし….……橘君の事が好き!』
ーーーだからこそ、晴夏は中学最後の夏、李人に告白をした。
この頃には、大分、晴夏は優葉と仲良くなっており李人の目に自分は充分魅力的にうつっているだろうと思った。
『………え?』
『好き、なの………。 サトシと付き合ってた時、橘君が、私の事をもったいないって………私なら良い人が見つかるって言ってくれた時から……….』
『篠村………』
『っ、あたしと………付き合ってください!』
そう言い、頭を下げた晴夏の心臓はまるで誰かに酷く打たれてるかのようにずっと、強くなりっぱなしだった。
体全体も、なぜだかガクガクと震えが止まらない。
(好きな人に告白するって………、こんなに勇気と体力がいる事だったんだ………)