君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
遼馬は、まるで数年の空白などなかったかのように、ニカッと大きく口を上げ笑った。
「………っ」
それを見た和泉の胸に、じんわりと広がる熱。
思わず、唇を噛み締めた和泉を見、遼馬はまた笑った。
「………ミジンコって言われたのが、そんなに悔しいか?ん?」
「………うるさいよ。 てか、お前、ミジンコに話しかけたことあるの?」
気が付けば、 和泉も心から微笑んでいた。
そして、また中学の頃のように遼馬と軽口を言い合い始めたのだった。
"信頼できる人を見つけて"
優葉が、そして、和泉自身が望んだものに少しでも近付けたのかもしれないと思いながらーーー。
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「で? 話って何だよ?」
その後、 和泉と遼馬は近くにあった横長の学習机に向かった。
そして、お互いを向かい合いながら座った。
まだ、遼馬と向かい合うのは少しだけ緊張したが、できるだけ和泉は冷静を装い
「………相談、したい。 進路のことで」
そうポツリと呟いた。