君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そう遼馬に言われ、和泉は一瞬口をつぐんだ。
和泉にとって、優葉は先生だ。
それを、例え遼馬でも公にするのは果たして良いことなのか。
現に、この高校には川野スクールに通う生徒も大勢いる。
和泉はしばらくの間、考えた。
(………今は、俺の立場は優葉の生徒だ。
ここで、遼馬じゃなくても誰かに優葉が先生であると勘づかれたらまずい。
………優葉の夢にまで、影響するかもしれ
ない。だから)
「………大学生だよ。今年の夏、知り合った」
だから、和泉は最低限の情報を遼馬に与えることにした。
「大学生!?歳上か!やるなあ、和泉!ていうか、なんかエロい!」
なぜか、遼馬はここぞとばかりに興奮し始め、口調が元通りになっていた。
「アホなの?お前は」
「だって、大学生のお姉さまなんて色々知ってそうじゃん!
てか、その大学生とはどうなんだよ?やっぱり付き合ってんの?」