君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そう言い、遼馬は大きく笑みを浮かべた。
そんな遼馬を見た和泉は、遼馬が同じ気持ちだったのだと知り胸が熱くなる。
(………ヤバイ。目頭と喉の奥まで、熱くなってる。ーーーダメだ。こんな所で)
そう思った和泉は、熱くなったそれらを必死で抑え込むために、深く頷いた。
それを見た遼馬は、口を開いた。
「そうだな………。俺は、R大学工学部志望なんだよ。
国立だし、俺の頭だとかなり勉強してやっと合格ギリギリって感じだけどな。
で、そこで電気電子工学を勉強したいと思ってる」
「そうか………。やっぱり、ちゃんと大学を決めてるんだな………。
それで、なんでまた工学部にしたんだ?お前、確か文系の方が得意じゃなかった?」
「それは、そうなんだけどさ。………俺、憧れてる人がいるんだよ。もう何年も前に会っただけの兄ちゃんだけど。
俺………、その人みたいになりたくて工学部目指してるんだ」