君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

そう思った瞬間、優葉の心の奥がチクリとなった。

「?」

それを不思議に思いながらも優葉は和泉を待つことにする。

同時に優葉は、半年前の出来事を思い返していた。


ーーーーーーーー 

和泉が教師になると決めてからすぐ、両親は血相を変えて東京から戻ってきたという。

『せ、瀬名君!』

それを和泉から聞けば、やはり優葉は心配になり、和泉の帰り際に声をかけた。

『先生、どうしたの?そんなに慌てて』

しかし、当の本人は変わらず、平気な表情だ。

『き、今日だよね? ご両親と会うの………。 っ、ねえ、瀬名君。 私、あと一時間で授業が終わるの。 だからもし待っててくれたら私も一緒に………』


『ーーー大丈夫だから』


『瀬名君………』

『先生はもう、俺に沢山のことをしてくれたから。 もうこれ以上与えられてばかりじゃ俺が落ち着かない。

………いいから、先生は黙って俺を待ってなよ? ね?』

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