君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

ーーーその後、リビングへと向かった和泉は、険しい顔をしている両親を見つけた。

『………久々だね。父さん、母さん』

『座りなさい、和泉』

和泉がした挨拶をろくに返すことなく、父義家(よしいえ)と穂奈美は、和泉をダイニングチェアへと促した。 

『………有華さんだけど。 もうすぐ来ると思うから。その時に詳しい話をーーー』

『おまえは、何を考えてる?』

開口一番に、義家はその表情を崩すことなくそう言った。

『………何を考えてる、って? 父さんこそ、何を言いたいわけ?』

大抵の人間は、その義家の表情を見れば怯み、一瞬で冷や汗をかく。

しかし、和泉はもう慣れているため、いたって冷静な態度がとれる。 

『有華から聞いたよ。 おまえ、有華に地盤を譲って、教師になるなどと言ってるそうじゃないか?』

『そう。 もう決めたから。 後継者もいるし、何も問題ないでしょ?』




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