君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
和泉が飄々(ひょうひょう)とそう言えば、義家の表情が険しくなり
『ーーーふざけるな!』
机を力任せに平手で叩き、立ち上がった。
『こんにちは〜。おじさま、おばさま、遅くなってごめんなさい………って、いきなり修羅場!?』
ちょうどその瞬間、有華が姿を現しいきなりの義家の怒号に目を丸くする。
『何もふざけてないけど』
しかし、和泉は依然として平静だ。
『お前の何がふざけてないだ!? いいか、和泉! お前を私の後継者にするために一体今までにいくら使ったと思ってる!? それを全部無駄にする気か!?』
『悪いけど、俺は頼んでないね』
『和泉………! お前は………!』
『あんた達が勝手に俺と、櫂兄さんを………政治家にするって決めただけだろ。
そこに、俺達の意思なんて全くなかった。
あったのは、アンタ達の見栄とプライドだけだ。
息子があんた達を追って、立派に東京の名門私立大学を卒業して………政治家になる。
その身勝手な理想が、どれだけ俺達を縛りつけてたと思ってるの?』