君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そう言い、和泉は有華に目配せした。
『って、この状況であたしにふるって中々よね? まあ、いいわ』
有華もひとつ息をはき、口元を微笑ませると義家と穂奈美の方を見た。
『有華………。 なんなんだ? お前まで』
『おじさま、おばさま? どうか和泉を教師にしてやることを許してあげて下さい。
そして、私をおじさまの後継者にしてくださいませ』
有華は、そう言い甲斐甲斐しく頭を下げたが、それが逆に気に障ったのか、義家は有華と和泉を睨みつけた。
『お前も、和泉の戯言に乗っかったのか?
大体、私は女を後継者にするつもりはない。
瀬名家は今までずっと、男子が政治家として跡を継いできた。それを崩すなど………』
『はあ………。 やっぱ、思った通り。
やたら、有華さんが政治家になりたいって言ったのを面白くなさそうに見てたのはそこか。
女性を政治の世界へと父さんをはじめ、政治家は謳っちゃいるけど。
本音は、女が、政治をしたらいけないなんて言う。全くふざけてるね』