君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー


『身勝手な理想だと………』

『そうだよ。 でも、俺はその理想を叶えようとした。 櫂兄さんの夢だったから。

それが………、俺が兄さんにできる唯一の償いだと思ったから。 

自分を押し殺してでも政治家になるつもりでいた。………けど』

それを言うと、和泉はすぅっと一息はいた。 

『それは違うと、気がつくことができた。自分の意思で、頭で考えた夢の方がよほど、自分の人生を輝かせると。

………そんな大切なことを教えてくれたのは、あんた達じゃない。 俺の先生だった。

だから、俺は………その人に憧れた。その人のような生徒を救う先生になりたいと心からそう思った』

『和泉、お前ってやつは………』

『でもまあ、そう言っても………アンタ達にはまだピンとこないだろうね?』

そう言い、和泉は眉間にシワを寄せた義家を見、苦笑した。

和泉がいくら、自分の思いを伝えようとも父と母に簡単に届かぬことは分かっていた。

ーーーだから。

『………出番だよ? 有華さん』

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