君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

アプリを開けると、表示されていたのは

ーーー【橘 李人】

「ーーー!!」

(李人君だ!)

紛れもない李人の名を見、優葉の先ほどの疲れは一気に消えた。

なにせ、李人はこの頃、民放ドラマ主演に、舞台にと重なっており、まるで鬼のような忙しさだった。

そのため、優葉は李人とみかん狩りに行って以降、連絡は取っていてもその姿を直に見てはいなかったのである。

なので、優葉は嬉しさのあまりすぐにトーク画面を見た。

"優葉。 久しぶりだね。 元気? なかなか、会う時間を作ってあげれなくてごめんね。

来週の日曜日なんだけど、久々に休みが取れそうなんだ。 

1日だけだから、埼玉には戻れないけど。もし良ければ、東京に来てほしい。迎えに行くから。 久々にデートしよう"

「ーーーっ、行く!」

優葉はまた嬉しさのあまり、ついそう声に出してしまった。

周りにいた学生や、ちょうどお昼に向け大忙しの厨房のおばちゃん達も何事かという風に優葉を見る。




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