君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………いい子じゃないか、李人」

「斉木さん………。 ありがとうございます」

「ありがとうございますっ………」

そう言い、頭を下げる李人と優葉を見て、斉木の胸は酷く痛む。

ーーー李人も優葉も、お互いを本気で想っている。

(なのに、どうしてこの2人はーーー)

斉木はもう一度、唇を噛まずにはいられなかった。

これからの李人にとって、その"事実"が、二人にとってまたとない足枷になると知った時。

自分は李人のマネージャーとして、どのような選択をさせればいいのか。

その答えは決まっているーーー。 

だが、それを考えたらなお、斉木の胸は痛むのだった………。 


ーーーーーーーー 

ーーー東京都 千代田区 某所 

その日は、よく晴れた午前中であった。 

大正時代から続く由緒正しい刊行社、株式会社 文芸社の本館には、日本を代表する週刊誌【週間文花】のオフィスも入っている。

そこに、一つのメールが届けられた。





< 432 / 660 >

この作品をシェア

pagetop