君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

斉木は、そう一通り言い終えた優葉の目を見た。 

それは、何一つウソなどない真摯な眼差しであった。 

同時に、その目は夢や人に真っ直ぐに向き合い、それらを大切に労る優葉の純真な心をそのまま現していたーーー。

(………良い子だな、この子は。 きちんと自分の意見も言える。 それに、すれていなくて、とても素直だ。

真面目に目標へ向き合うところなんか、李人とよく似ている。………だからこそ)

そう思った時、斉木は唇を噛み締めた。

(今、思った事はまだ言えない。 ………ここで言うべきでもないことだな)

「す、すみません! 私、喋り過ぎちゃいました………っ」

斉木が、何も言わないのに気がつき、優葉はそう慌てて言った。 

そんな優葉を見、斉木はハッと意識を取り戻す。

「いや、すごく若いのにそこまで、きちんと自分の将来のやりたい事が見えてるんだと感心したとこだ。だから、ただ、驚いたんだよ」

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