君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

【守りたい心】


ーーーそれは、何の脈絡もなくやってきた。

「ちょっと、君たち」

無事、あれから同じ大学に合格した遼馬と講義後、帰路に着こうとしていた和泉の元に彼は声をかけてきた。

「突然、声をかけて申し訳ないね。僕は、週刊文花から来た鈴木といいます」

そう言い、鈴木は名刺を和泉達に差し出した。

「え!? 週刊文花ってあの!? 何で!? 俺らに取材っすか!? まさか、スカウト!?」

「………ちょっと、落ち着けば?てか、スカウトは芸能事務所の仕事だと思うけど」

「和泉! これが、落ち着いてられるか!お前は、どんな時でも和泉だな、和泉!」

「いや、確かに話はあるんだけど君たちじゃなくて………」

鈴木は、目の前の二人のやりとりに一瞬圧倒されたが、本題を思い出し一枚の写真を二人に見せた。

「………この女子学生について、話があるんだ。 君たちの大学にいるよね?」



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