君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

そう直感した小春の脳裏には李人の顔がよぎる。

(李人君には、悪い………と思う。 けれど)

小春はもう一度、和泉の表情を見上げた。

ーーー依然として、柔らかな笑顔を浮かべている。

そんな和泉からは………優葉を大切に想う気持ちがひしひしと伝わってきた。

(だから、私は今この子を頼るしかないのよ………)

「………いいえ。 本当に………、来てくださって感謝しています。 どうぞ、入ってください。優葉は………部屋に寝かせています」

「ありがとうございます。 ………失礼します」

そう言い、和泉は連れてきた医者と共に笹原家へと足を踏み入れた。 



ーーーーーーーーーー

和泉は、二階にある優葉の部屋に入った。

「………っ、 う………」

額には汗をかき、 時折苦しそうに声を出している。

「………ッ、優葉っ………」

和泉は、そんな優葉を思わず抱き寄せた。
< 506 / 660 >

この作品をシェア

pagetop