君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「もちろん、この家じゃなくて。 近くに公園あるよね? そこで待ってる」

「瀬名君………」

「………だから、何も心配しないで行ってきて」

そう言い、微笑んだ和泉を見て優葉も再び心が安堵したのか"うん"と笑い返した。

そんな優葉の笑顔が無事に帰ってくるよう、和泉は心から願ったーーー。


ーーーーーーーー

優葉が家の外に出れば一台のワゴン車が停まっていた。 

「優葉さん」

そして、その後ろの席から顔を出してきたのは斉木であった。 

「斉木さん」

「ご無沙汰しています、優葉さん。………早速ですが、誰に見られてるか分からない。 乗ってください。………李人は私の後ろにいます」

「は、はいっ………」

優葉は早る心臓を抑えながら、ワゴン車に乗り込んだ。 

そしてーーー
 
「優葉………」

「李人君………」

優葉と李人はついに再会を果たしたのだった。
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