君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「先生………!?」
「………ッ、ーーーうっ………」
和泉は、突然の優葉の行動に驚いたが嗚咽を漏らすその姿に酷く胸が痛む。
(何を………したんだ。 橘 李人は………。 アイツは、優葉を傷つけはしないと思っていたのに)
そう思うと、なぜか裏切られたような気分になり和泉はギリッと唇を噛んだ。
「先生……….。 アイツに………何をされた?」
「………ッ、うっ………」
「ゆっくりでいい。 落ち着いてからでいいから。 話して」
そう言い、和泉は優葉の背中をゆっくりと撫でる。
その手のひらの温かさと、ぬくもりに合わせ、優葉は話し始めた。
「………れたの」
「え?」
「………別れようって………言われたの………」
「………!?」
「李人君………、もう私のこといらないって………。 私のせいで仕事に支障がでているからって………」
そう言う優葉は、また先ほどの李人の冷淡な態度を思い出し、涙が溢れてきていた。