君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「っ、 瀬名く………」
「じゃあ、俺はどうしてくれるの? アンタに救われたと………だから幸せになってほしいと心底思った俺の気持ちは、どうしてくれるわけ!?」
「ーーーッ!!」
更に和泉は烈火の如く強い口調でそう叫んだ。 そして、その言葉は深く優葉の心に食い込む。
「橘 李人にだって、 篠村にだって………アンタは俺にしてくれた通りに、接してたでしょ? 何の偽りもなく………真摯に、相手が大切だと伝えてたはずだよ。それの何が悪いわけ? 言ってみなよ! 」
「っ、 私っ………」
優葉の身体は、冷や汗をかき震えだした。
和泉は、優葉に言ってくれた。
優葉に救われたと。 好きになったと。
だから………幸せにしたいと。
そんな和泉の前で、誰かとの接し方が間違ったなどと言ってはならなかった。
何があろうともっと、自身のしてきたことに自信を持つべきだった。
「私っ………、ごめっ………ごめんなさっ………」