君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー


「ーーー今度は、俺が優葉の支えになる」 


「………!!」


真剣な強い眼差しと、確かな言葉。 

何よりも抱きしめられ、伝わってくる和泉の温かさ………。 

(あぁ、………本当に………)


「………か、った………」

「………優葉?」


「瀬名君がいて………良かった………。 私………、一人じゃなかった………」

まだ、信じられる人がいる。

優葉を心から思ってくれる人がいる………。 

それを分かったことは優葉にとって大きな救いとなった。 

「………当たり前だよ。 俺が、一人にさせない」

「瀬名君………」

「何があっても、俺が絶対に一人になんてさせないから………」

和泉は、優葉にまたそう強く告げた。

優葉が和泉を救ってくれた分。 ーーーそして、和泉が優葉を想っている分。

自分ができる全てで、優葉の傷を一緒に乗り越え………支えになると。 


和泉は、優葉を抱き寄せる腕と共にそう誓ったのだったーーー。
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