君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………必要なこと………」

「………そうだ。 俺は李人が日本を代表する俳優になるための援助と、助言は惜しまない。 

例え、それが乗り越えるのにお前が辛い思いをすることになろうとだ。 

でも、お前を一人でそこに置いていくわけじゃない。 そこは安心して、辛い時は言えばいい」

そう言い、斉木はふと優しげな目で微笑んだ。

いつも口が悪く、厳しいこともいうため斉木は、他人には誤解されやすい。

しかし、この芸能界で誰よりも、李人のためを思い行動してくれるのは彼だ。 

それは、ただ単に李人を直々にスカウトし、更にマネージャーだからというわけではない。 

本気で、"俳優 橘 李人"を日本一の俳優にしようと共に歩んでいるからだ。

「………ええ。 信じています、斉木さん。 これからもご迷惑をおかけすると思いますが………よろしくお願いします」


そう言い、李人は斉木に頭を下げた。 斉木もどこか嬉しそうに"おう"と答えた。

(まだ………優葉を、良い初恋の女性として胸に留めるのには………時間がかかる。

けれど………今は、この選択が正しかったのだと証明するために………前に進むしかない)


< 559 / 661 >

この作品をシェア

pagetop