君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………この写真。 あなたですよね?」
「写真………?」
真由は、そう言い優葉にスマートフォンを見せてきた。
そこには先日、優葉が和泉と喫茶店に行った帰りの写真がうつっていた。
「そう………ですけど。 どうしてこんな写真を………」
「たまたまです。 たまたま、用事で外に出たら瀬名君がいて。 "今の"お気に入りがあなたなんだって分かって、一目見たくて。
R大に通う友だちのツテを使ってあなたにたどり着きました。
一つ、お尋ねします。 瀬名君のことが好きなんですか?」
「えっ………!?」
「どうなんです? 好きなんですか?」
いきなり強い口調で、真由にそう問われ優葉は戸惑った。
前は即座に答えられたはずだった。
和泉は、生徒で………今はとても良い後輩だと。
そう………思っている。 今も、そうだと優葉は感じている………つもりだが。
(どうして………そう、言えないの?)