君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………忠告………?」

晴夏の言葉の意味が分からなかった。 

しかし、芽生えた緊張と冷えた汗が優葉の背中を伝う。 

「………そう。 真由ちゃんから。 真由ちゃん、写真見た? この子で合ってるでしょ?」

「はい、間違いないです! ………あなたが、 今の瀬名君のお気に入りなんですね。 ………へぇ」

そう言い、真由は優葉の顔をまじまじと見つめた。

そして、優葉も真由の顔をよく見ざる終えなくなりーーー、更に背筋が凍った。 



"瀬名君! あたし、 本当に瀬名君の事が好きなの………! だから、 エッチだけなんて嫌だよ………"


ーーーどうして、今まで気がつかなかったのか。 


彼女はーーー、真由は、初めて優葉が瀬名邸へ訪れた日、和泉といた女(ひと)だ。 

和泉と………付き合っていただろう女(ひと)だ。

それを思えば、優葉の胸は酷く痛んだ。

「………んーーー。 瀬名君も趣味が変わったのかな? なんか高校の時とタイプ違うけど。まぁ、いいです。 手短に言わせてもらいます」


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