君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
真由はそう吐き捨てると、もう一度強く優葉を睨みつけ去っていった。
しかし、優葉の頭の中はそのようなことはどうでもよかった。
ただ、和泉が他の女性とも関係を持っていたという事実を改めて知らされ、"今に捨てられる"という言葉とともに優葉の胸を酷く痛め付けている。
喉の奥が………とても、とても、熱い。
「………あらら。 行っちゃった。 あの子も結局、瀬名君に遊ばれてたのか。まあ、あれだけイケメンで議員の息子だったら仕方ないだろうけど」
「………」
「………ねえ? 優葉」
「………」
「そう思うでしょ? 一番今、身をもって実感してるのは、優葉じゃないの?」
ふと、優葉はその言葉で晴夏の顔を見た。
ーーーやはり、楽しそうに晴夏は笑っていた。
「………たく、無かった」
「え?」
「信じたく………無かった。 ずっと………否定してきた。だけど………」
「………何よ?」
「李人君のことを週刊文花に流したのは………あなたなの? 晴夏………」