君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
ーーーお願い。 違うと言って………。
最後に、優葉がほんの少しかけた望み………だった。
「………それで、 橘君とは別れたの?」
しかし晴夏は、冷めた瞳でそう言った。
優葉が、かけたほんの少しの望みは………あっけなく、砕けた。
「………して」
「………え?」
「どうして、そんなことをしたの………!? 私はずっと、晴夏のこと友達だと思ってたのに………!」
「………友達?」
「そうだよ! 私たち………中学の頃からずっとーーー」
「笑わせないで! 何がアンタなんかの友だちよ!」
「……….!?」
今まで聞いたことのないような晴夏の叫びにも似た罵倒に、優葉は言葉を失った。
「アンタ、ムカつくのよ! たいして可愛くも無いくせに、橘君や瀬名君なんかに好かれて! 特に橘君は………橘君のことはっ………」
そこで、晴夏は悔しげに唇を噛んだ。
「ずっと、あたしだって好きだったんだから………!!」