君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そして夕方、李人と共に優葉は、花火大会の会場であるR町の中心にある河川敷に向かった。
R町の花火大会は、およそその距離は1キロほど、R町の商店街から河川敷までズラリと露店が並んでいる。
その為、子供から大人まで楽しめるR町きっての行事だ。
「ユカちゃん、みてーーー! かめんライダーのおめん!」
「わぁ! かっこいい! こっちにはおっきなりんごあめがあるよ、 ナオヤくん!」
優葉は、李人と商店街から花火が打ち上げられる河川敷まで歩いていた。
そして、様々な露店に目を輝かせ、走り回る子供達が通り過ぎていくのを見て小学校時代の事を思い出した。
『りひとくん! おっきなわたあめ! おいしそう!』
『じゃあ、はんぶんこしようよ、ゆうは! ふたりでたべたらおいしいよ!』
『うん! りひとくんとたべる!』
『よし! じゃあ、かおう!』
幼い李人と優葉は、お互いの両親から500円ずつお小遣いを貰ってよくこの花火大会に行っていた。
他の友人といても二人だけで露店を巡り、 その少ない金額の中で食べ物を楽しんでいた。