君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「ん………ッ!」

ーーー気がつけば、無くなっていた視界。

ただ感じるのは和泉の甘く、そして深い口づけーーー。 

「あ、………せなく、………ッ」

和泉はまるで離さないとでもいうように何度も優葉に唇を重ね、奪う。

「んんっ……!  ………っ、はぁっ」

ふと唇が離れた瞬間、優葉は再び和泉に強く抱きしめられる。

「………き」

「………?」

「好きだ………、好きだ………! ずっとずっと優葉が好きだった………! 優葉しか欲しくなくて、俺の手で幸せにしたくて………堪らなかった………!」

「………!!」

「だから………、俺ももうアンタの生徒や後輩には戻らない。 もちろん、遠慮だってしない。 

ーーー優葉。 俺がアンタを一番に愛して幸せにする。 この世の誰よりも大切にして、辛いことがあれば一緒に考えて乗り越える。  

それを俺たちの新しい関係にしたい。 だから………俺の彼女になってください」




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